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March 18, 2010
快適空間・・・隠れ家 VS 秘密基地（1２）
これは、隠れ家と秘密基地を私的見解から分析した、妄想物語です。
秘密基地建設物語・・2
結婚８年目にして、初めて妻に嘘をついてしまった。
『今度の週末、みんなで京都に行こうか？』
『えっ？今度の週末は出張なんだぁ』
『えー。ホンと？仕事なら仕方ないねぇ。それじゃ、リンと二人で行ってくるね。』
『・・・・・・ウ・・ ウン(._.;)』
ちょっと、後ろめたさもあるけど、浮気をしてるわけじゃないんだから、まっ、いっか。
そして週末・・・
さてこのおじいちゃん家の納屋の中には何があるのだろうか？
納屋の前で私は、子供の時必死でお小遣いを貯め、やっとの思いで買ったプラモデルの箱を開けたときに感じた、なんとも表現の出来ない感情に似た気持ちに包み込まれ、なぜか震えが止まらなかった。
いざ納屋の中を調べてみると、記憶の中から消え去っていたおじいちゃんとの思い出がいっぱい出てきた。
あんなにおじいちゃんっ子だった私が、どうしてこんな大切な思い出を忘れてしまっていたのだろうか？
バイクに跨らせてもらうときはいつも、おじいちゃんの革ジャンと革ブーツ、そしてゴーグルを着けさせてもらった。
とても小さな私には大きな、大きな物。そしてズッシリと応える重さ。
ちっちゃな体で支えるのが一苦労だった・・・気がする。
バイクの横の埃だらけの革のスーツケースの中からあの当時の物が出てきた。
えっ？もしかしてこの革ジャンは、
SchottのONE STARでは？
映画・THE WILD ONE でマーロンブランドが着ていたあのONE STAR。
そしてしてこのブーツは、
WESCOのエンジニアブーツ？？
おしゃれ音痴な私でもSchottやWESCOは知っている。今でも１０万は下らない超有名なONE STARにエンジニアブーツ。
さすがにゴーグルはどこの製品か分からないし、レンズにはヒビが入ってしまっている。
今なら簡単にネットで手に入る品も、当時なら本国でしか手に入らなかっただろう・・・
おじいちゃんは一体、何者なんだ？？？
Schottの革ジャンにWESCOのエンジニアブーツを穿いてみた。
『ブッカブカだぁ。』
あの幼かった頃と同じだなぁ。
そういえば、最近背中が丸まったおじいちゃんしか見てなかったけど、確かおじいちゃんは180cmは優にある大柄だったよな。
165ｃｍの私とはサイズが二つは違うなぁ。
靴だって28ｃｍはあるよなぁ。
このカビ臭いブッカブカの革ジャンに、長靴みたいなエンジニアブーツ、そしてヒビの入ったゴーグル。
これがここでの、“ 制服（？）”かなぁ？？？
ジュニアがさっきからブーツがお気に入りのようで、左のブーツの中に入ったまま出てこない。
無理やり取り返すのもかわいそうなので、今日は片足だけでいいか。
明日、ジュニアに靴を買ってきてあげよう。
私は1959年生まれ。
50年代のアメリカなんてまったく知らないけど、おじいちゃん家の納屋の中は、50年代のアメリカそのもののような気がする。
あのTHE WILD ONE の連中が声をかけてくるんじゃないかという錯覚に陥りそうである。
『ジョニー、行くぜ。』
・ ・・・つづく
