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January 17, 2010
思い出さない、でも・・・
3年前に、私の尊敬するとても親しい8歳年上の先生が、医院を廃業され歯科医師を辞められました。
そのとき私に、
『みっちゃん、俺の震災復興はまだ終わってないねんで』
これが先生と交わした最後の言葉でした。
あの震災の日から10日ほどたってから善本歯科医院は再開しました。
窓には、当時まだパソコンが無かった時代、ワープロで書いた字を拡大コピーし、
善 本 歯 科 医 院 診 療 中
・・・・と
それを見た患者様が顔を出してくれて、
『先生無事でしたか』
と、みんな涙を浮かべて生きていることを喜びました。
“善本歯科医院診療中”という窓の張り紙は震災後半年で外したと記憶しています。
その頃、私の医院の張り紙を見た、3年前に廃業された先生が、
『うちにも、みっちゃんと同じ張り紙作ってくれへんかな?』
と。
もちろん喜んで私は張り紙を作りその先生の医院の窓に張りました。
でもその先生がその張り紙を外したのは、震災後4~5年してからでした。
私はこの震災で経験した事を、どのように今後心の中で処理をしていけばいいのか、この一週間真剣に考えてみました。
でた結論は、
“ 今日からあの日を思い出さない、でも決して忘れない。 ”
須磨の砂浜の真ん中にぽつんと5本の椰子の木があります。
願いがかなう椰子の木として評判を呼んでいるそうです。
私も今朝願い事をしてきました。
投稿者 yoshimoto : January 17, 2010 08:00 AM