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July 08, 2010
私らしさ
現在善本歯科医院には、兵庫歯科学院・衛生士学科から2名の学生が、実習に来ています。
私が衛生士の教育に携わって、25年になります。
この25年の間、幾度と無く実習医院を辞退しようかと思ったことか・・・
でもずっと関わってきた源は、
“ 一瞬の喜び ”
ですね。
同じ医院の現場で、同じものを見て、同じ音を聞き、同じ空気を吸って、同じ目的のために動いている。
でも実習生は、何も見えていないし、聞こえていないため、動けないというのが現実。
ではこのような場合どう指導すればいいのだろうか?
まず、見えていないということに気付いてもらえなければなりません。
もう、10年以上も前の話ですが、私が実習生に取った指導方法です。
いきなり院長室に実習生を呼び出し、
『お前、今の患者さんに何をした。(;`O´)o』
実習生は胸を張って、言いがかりをつけるなと言わんばかりに、
『何もしていません。( #` ¬´#) ノ』・・・と
『なんで何もしない。(´‐` ○)\(○`ε´○) 』
『・・・・・・・・』
その実習生は今の患者様のことを思い出し、大粒の涙を流し出しました。
自分がしなければならない事をしていなかったため、患者を傷つけてしまったと分かったからです。
その患者様は足が不自由で、杖を持ってこられていました。
診療台から腰を上げるのも杖無しでは難しく、30センチ先に置いてある杖を取るのにも、一苦労。
さらに足元のスリッパを履くのにも、足先まで手が届かず両足で交互にスリッパを押さえながら履くという状態。
実習生はずっとその患者様の行動を見ていたのに、一切手を差し伸べることはありませんでした。
遠くでその状況を見ていたスタッフが手助けをし始めても、実習生は直立不動。
『お前、今の患者さんに何をした。』
『何もしていません。』
『なんで何もしない。 』
・・・の意味が分かった瞬間。この瞬間が見え始めた瞬間です。
この日を境に、びっくりするほど、その学生は成長していきました。
この瞬間こそ、私の、喜びの瞬間です。
『そんないけずな事をせずに、言って教えればいいじゃん。』
って声が聞こえてきますが、
(・_・o)ン? (o・_・)ン? (o・_・o)ン?
そうしないのが私らしさですかね。
σ(o^_^o)
投稿者 yoshimoto : July 8, 2010 07:02 AM