6434名

 

私の祖父は浄土真宗本願寺派・慈光山 順照寺の初代住職。

1995年1月16日、祖父の5回忌が、檀家や親せき大勢集まり盛大に行われました。

四国から来られた叔父叔母5名がその日お寺の本堂に泊まることに・・・・・

 

そしてあの日、1月17日の朝を迎えました。

 

古いお寺の本堂は重い瓦に押しつぶされ全壊。

その下に叔父叔母が生き埋めに・・・

大けがするも何とか3名は助け出されました。

 

私がそこに駆け付けたのはもう夜が明け明るくなった頃。

『この下に叔父さん叔母さんがまだいる!!』

との声に天を仰ぎました。

なすすべがありませんでした。

 

お寺から200mのところに須磨署があることを思い出し、応援を頼みに私は走り出しました。

須磨署の前の横断歩道を歩く警察官を見つけ、

『生き埋めになってるんです。助けてください!!』

と言うと、帰ってきた言葉が、

『順番ですから。』

その瞬間、やっと周りの状況を冷静に見ることができました。

 

そう、生き埋めになってるのは叔父叔母だけではなかったことに・・・・

 

青い空がグルグル回っているようでした。

順番ですから・・・・と言った警察官の方の目を今でも思い出します。

遙か彼方、宇宙の先を見つめているようでした。

 

 

あれから20年。

あの日が無かったら

って考えてしまいます。

そう考えるのは、今の自分に満足していないからなのか・・・・

 

助けることが出来なかった叔父叔母と、亡くなられた6432名のご冥福をお祈りいたします。